10.23 D班ゼミ発表
10月23日はD班のゼミ発表でした。
D3滝口「出羽三山の空間史ーその信仰と環境世界についてー」
論文の全体的な構成を変更
1.はじめに
2.近世羽黒山境内の概要
3.近世羽黒山境内の形成過程
3.1中世末期羽黒山の社堂
3.2近世初期の社堂造営過程
3.3近世羽黒山境内の成立とその後
4.羽黒山境内における祭儀
5.むすび
論述する主な対象を、①近世羽黒山の社堂の状態、②その形成過程、③それらの相互の信仰上の有機的関連、に絞ることにした。中世期に関しては、社堂の状況を伺わせる断片的な記録を提示して解釈するに止める。
・絵図や文献から本稿を書いていくのは一般的なのか?
絵図があることで配置関係の根拠になる。それに加えて、絵図を説明する上で文献を利用していく。
(平地寺院の研究でもオーソドックスな手法)
・山岳宗教建築の系譜の重要性とは?
平地寺院の境内の配置などに関しての研究は仏教史の主流の研究として扱われているが、山岳寺院に関しては先行研究が乏しい。その理由として、平地寺院の配置に関しては、軸やシンメトリーといった形式性が強いのに対して、山岳寺院においては形式性が極めて弱いため、地形に合わせて段階的につくられたと思われがちである。
しかし、山岳寺院には建物同士の有機的関連性や地形と関連した配置があるのではないか。地形や自然といったものが逆に形式的意味づけに参加させられているのではないか。
歴史学や民俗学といった分野から寺院に関して平地、山岳といった二文法で捉えられていることを、どういった意味合いでやっているのかを明らかにし、建築では…の方が説得力が増すのでは。
M1木山 芸術運動と都市の関係など
・興味のある先行研究をいくつか紹介
目白文化村研究会(1988)「目白文化村に関する総合研究(1)」
彦江智弘「ゾラにおける「社会的なもの」と住居『パリ』におけるモンマルトルの家」
→ゾラの文学と都市や住居の関係性
長門佐季「大正新興美術運動における空間認識について」
→大正新興芸術運動において誕生した作品と展示空間の関係、彼らの活動を取り巻く環境などの研究
一時的で自滅的なものが多く作品もあまり残っていないため広げるのが難しそう
大矢幸久「昭和戦前期の東京郊外における都市化と景観表象」
→郊外に対する人々の認識や意味について扱った研究、文学作品などから読み取る
・芸術運動の拠点となった場所と芸術家向け住居(アトリエ付きなど)を地図でプロット
・作品から都市の様子を再現するとは具体的にどういうことか
大矢幸久の論文、文学作品で描かれている都市と実際の都市と結びつける
芸術運動の拠点の場所とアトリエ付き住居などから地域性があるのでは
今の都市のイメージと大正時代(芸術運動が盛んだった)の都市のイメージに違いがあるのでは、それに興味ある
今の都市とその時代の都市の比較に意味はあるのか
・今回扱っている論文は、芸術運動や文学、絵画を通して郊外とは何か、近代とは何かを明らかにする論文
・芸術家が場所を選ぶ時の意識はどうなっているのか。歴史のない都市=新しく作っていきたい、歴史のある都市=利用していきたいなど歴史をどう捉えていたのか
歴史のない都市に新しいものを、という意識があったように見える
単なる作家のタイプによるものでは?アバンギャルド→郊外
・新興〜運動はいろんな分野が相互影響しているため文化村にどういうジャンルの人がいたのかとかを調べるのが良いのでは、社会学的研究も多くある
・作品がないのはなぜか?
文学作品などは残っていたり、村山知義などは図録として残っているものがあるかも
担当 山下、棟方