10.2 ゼミ発表B班1回目

10月2日はB班の発表でした。

 

 

三須「博覧会を通して変化する都市空間」
前回の発表から博覧会に着目し、近世に始まった博覧会が、都市形成にどれほどの影響を与えたかを考察していく。今回はパリ万博について、三田村哲哉、小林克弘、中原まり『パリにおける博覧会の変遷に関する研究ー1855-1937年を対象とした配置計画の分析を中心としてー』から博覧会の通時的変遷を見ていく。

【議論】
パリでは、なぜ同じ場所で何度も博覧会を行ったのか?
フランスが博覧会を通して国としての権威を示すため、継続的に同じ場所でやることによって象徴としての配置計画を確立していった。
今後の作業の日本の例を見ていく中で、何に焦点を当てて調べていくのか?
博覧会の会場構成から拡大されたものが、周囲の都市にどう影響を与えたか。(パリ博覧会では、軸線強調した配置計画)
異なる博覧会の例や、博覧会を手がけた建築家の思想などを追っていくとともに、博覧会の歴史も並行して調査していく必要がある。


竜「デモ活動期における都市空間の使われ方について」
デモや暴動などの示威行為を実際の占拠や行進といった人とモノと都市空間の側から捉える。今回は前回に引き続き台湾のひまわり運動についての既往研究を扱い、台湾のひまわり運動での人の動きや運動組織の配置を明らかにする。

【議論】
立法院周辺の議会の内外にて、2空間を弁証的に解決するとはどういうことか?
 どちらかが肯定され他方が否定されるとき、空間は攻撃性を帯びる(バジュラール)、、議会の内部と外部で対立が起きるとき、街路がバッファー的存在になり、そこでデモが行われた。
・博愛地区の方が立法院周辺よりも包囲されている感がある
・デモ運動の組織の分け方は?
ふるまいに応じた分類が必要
自然発生的でも組織化が瞬時に図られていく流れがある、その組織化の設計(創発を取り込みながら)的観点も必要
・都市空間を自分たちの行為によっていかに変質させるか、空間を生成するという意識がデモにはある。ある都市において歴史的にみていくことは可能。

 

相川
CIAM→TEAM10のポストモダン移行期における転換点において、スミッソンズに焦点を当てて、彼らがドローイングい与えていた役割とその力についての考察を進めていく。磯崎新『空間へー根源へと遡行する思考』において60年代のドローイングを磯崎が、システムモデル、イマジナリーモデルに分類したことを、TEAM10のドローイングから覆していく。

【議論】
イマジナリーモデル
システムの探求だけでなく、モデル概念として、どんな風景なのか、どんな像が浮かび上がるのか。
磯崎の分類からシステムかイマジナリーといった考えが普及。
近代の都市計画では1枚のドローイングを完成させることは不可能。
コルビュジェ→人口流入をなぎ払って、システマティックな都市モデルを構想、裏にはイマジナリー的な考えがある。
スミッソンズ→成長といったイメージの元、裏にシステマティックな考えがある。
システムとイメージの間で都市を構想することを普及。

 

担当 山下、棟方