2015 12/16 ゼミ発表

神崎 竜之介「関東大震災後東京に建てられた銅板葺き建物に関する研究」

[発表]

[質疑]

  • 路線防火が奥行きをもつとはどういう事なのか
  • 銅板、バラックに関する新聞記事は調べているのか

 

中村 彩「生活空間と産業空間の共存による東京湾岸部の戦後史」

[発表]

  • 住宅地図から見る街の構成要因
  • 1962年、1969年の住宅地図の用途別色分け

[質疑]

  • 生活空間は具体的にどのようなことを見ていくのか
  • 地図の着色によってどこを見ようとしているのか
  • 産業空間が豊洲に立地したのはなぜなのか
  • 新しい埋立地はあらかじめ土地の利用が計画されているのか

 

吉永 ほのみ「東京湾内湾沿岸漁村集落の歴史変遷に関する研究」

[発表]

  • 年表による論文の構成について
  • 近世、近代の東京都内湾漁業の変遷
  • 深川、羽田の漁師町の変遷

[質疑]

  • 深川、芝、品川、羽田のケーススタディの比較をするのか
  • 工業の移転、産業の推移などの話はどこに出てくるのか
  • 目次のグラフの大森、蒲田は研究対象のどこにあたるのか
  • 羽田は流通の拠点となるが他の場所は交通インフラが影響を与えるのか

 

年内最後のゼミが終わりました。次のゼミは年明けという事でいよいよ提出が近づいて来ました。頑張ってください。

 

B4 芦谷

2015 12/9 ゼミ発表

吉田 郁子「房総半島中山間集落の限界集落化への変遷」

[発表]

  • 全国の人口移動と経済成長率の推移グラフの作成
  • 千葉県東京湾沿い埋め立て地区の目的と特徴
  • 市原市内の企業、団地の進出年度別グラフの作成→農業から製造業への変化

[質疑]

  • 第一人口移動期、第二次人口移動期の定義はどこからとったものか
  • 農業から工業へと変わることによって市民の生活はどう変わったのか
  • 埋立地区の目的と特徴グラフの傍線の終点は何を意味するのか、またその後はどうなっているのか

 

平場晶子「近世から現代までの路上空間の変容に関する研究」

[発表]

  • 触れに見る江戸中後期庇下の規制
  • 資料『煕代勝覧』から見る江戸後期の庇下の分析

[質疑]

  • 床の張出の幅と踏込の根拠はなにか、業種は関係があるのではないか
  • 通りの中でどんな業種が一番多いのか
  • 桟敷とは資料中のどれのことを言っているのか

 

 

研究室内の論文提出日までもう少しとなってきました。B4、M2の皆さん、ラストスパート頑張ってください。

 

B4 芦谷

2015 11/25 ゼミ発表

関根薫「構造と意匠表現の取り合いから見る村野作品」

[発表]

・構造表現を緻密に見ていくことで村野の設計手法の再評価を行うことが目的

・村野の経歴と建築作品を整理した年表の作成→研究手法をどうするか

 [質疑]

・現在主義と構造主義

村野藤吾が書いた文章、長谷川尭の分析、同時代の建築家の言説を徹底的に読み込むことと作品自体を読み込むことを同時にする必要

 

祐川牧子 「設計競技からみるリージョナリズムについて」

[発表]

・近江榮『建築設計競技』(鹿島出版会、1986)以外の文献を参考にしたコンペ年表の作成

・『a+u』巻頭のコンペ情報を追って年表を作成中

・21世紀以降の海外のコンペ要項にも「地域性」という言葉が見られてくるはずなので、それらとの「地域性」の比較をしたい

[質疑]

・どのような基準で国内/外のコンペ要項を選出していくか→海外のコンペ事情を知る専門家にインタビューをする

・日本建築学会の図書館のHPで検索をかけてみる

 

来週はM1の中間発表です。

みなさん忙しそうですが、4月からの作業を一旦整理して今後の方針を立てるいい機会だと思うのでがんばってください!

 

 

M2 吉永

11/4 ゼミ発表 D班 1回目

門間 翔大 「災害と建築から考える近代建築史」

[発表]

・文明論としての災害、文化論としての災害→文明論 物理的被害 文化論 社会的影響
被災者の住まいに関する考え 災害前に居住していた場所へ戻りたいという考え
・賃貸住宅から土地付き持家への意識の変化 高度経済成長期以降の定着
地震活動期 ~1940’s 地震活動期 約半世紀 地震静穏期 1990’s~ 地震活動期

[質疑]

・立体最小限住宅は地震活動期の第2期なのか地震静穏期なのか
・工業化が行われるにあたって建築家のスタンスに変化があったか


弓削田 宏貴 「経済成長期における都市記述者の収束の過程とその論理に関する研究」

[発表]

・全体像の把握
・高度経済成長期の地域主義 建築家の都市への介入
・社会的総空間の商品化 70’sに入り60'sの反動、批判的ムーブメントとしての地域主義
・デザインサーヴェイを対象とし、社会的事象に対する反応などを見てサーヴェイが通史的に語れるのか、なぜ語れないのかを検討する

[質疑]

・地域社会論から地域主義に関心が変わったのか

 

陳 穎禎 「博士論文構成と先行研究」

[発表]

・論文の構成、内容について
・韓国の鉄道町の研究について 韓国の鉄道町の類型化
・鉄道町の類型化と自身の研究のまとめ方

[質疑]

・韓国の類型化の事例を自身の研究に当てはめるのか

 

B4 芦谷

10/28 ゼミ発表C班1回目

小見山 滉平 「大宮東口における土地所有」

【発表】

  • どのように商店が商店街内で維持しているのか
  • 住宅地図から追うさくら小路、すずらん通り、一番街、住吉通りの変遷

【質疑】

  • 地主がその地で商売をしているが途中で商店が変わるのは何故なのか
  • 商店の変化でモデルになるような商店があるのか
  • 大宮を対象の敷地として選んだ理由

 

塩田 航 「古い日本とジャポニズム

【発表】

  • 目的、手法を明確にする
  • ジャポニズムに用いられる記号について
  • 研究の軸としてみていこうとする観点(妖精観)について

【質疑】

  • 研究対象は何を扱うのか
  • 妖精観は手記中で実際に使われているのか
  • 妖精観とはジャポニズムにまとめられないのか

 

祐川 牧子 「設計競技からみるリージョナリズムについて」

【発表】

  • 日本のファシズム建築に対する批判、抵抗としてのモダニズムについて
  • 日本趣味建築がなぜ現れ始めたのか
  • 日本趣味建築の流行と衰退について

【質疑】

  • ファッショ化とはどのようなものなのか
  • コンペ要項に日本趣味といった言葉は入っているのか

 

おつかれさまでした。

 

B4 芦谷

10/21 ゼミ発表 B班 1回目

今年の4年生は8人中6人が卒業設計を選択したので各週のゼミは3人ずつのローテーションとなりました。

 

吉永 ほのみ 『東京湾内港沿岸漁村集落の歴史的変遷に関する研究』

[発表]

・中間発表を経ての研究フレームの枠組みについて
・近世初期における各漁師町の幕府に課せられた役負担による近代以降の変化についての考察
・近世の各漁師町(深川、芝金杉、品川、羽田)の変遷を年表によって追う
・今後の課題

[質疑]

・近世初期の各漁師町の役負担はどういったものなのか
・漁師町の主体となっているコミュニティ(運営団体)の有無

 


中村 彩『東京湾岸エリアの変遷 ~豊洲における調査~』

[発表]

・インタビューによる昔の豊洲についての聞き取り調査
東京湾岸エリアの埋め立ての変遷
・終戦から高度経済成長期までの豊洲内の変遷
・豊洲の工場地帯の発展について

[質疑]

・今後どのような人たちにインタビューを行うのか
・湾岸部、豊洲は東京の発展におけるどのような位置づけか
・4丁目を中心に考えていく理由


神崎 竜之介 『関東大震災後東京に建てられた銅板を使用した建物に関する研究』

[発表]

・問題意識、既往研究から得られた知見
・板金屋が建築材料の生産としての一環としての役割について
・銅板葺きの建物が現存しているかどうかのフィールドワーク

[質疑]

・銅板葺きの見られる箇所で防火地域が推測できるのか
・ 銅の流通経路はどうなっているのか
・銅板葺き建築で看板建築でないものがあるのか
関東大震災後の時代に銅板の規格はあるのか

 

 

おつかれさまでした。

 

B4 芦谷

サブゼミC斑 2回目

 

B4のオオタニです。

更新が遅くなり、また順番が前後してしまい申し訳有りません。

サブゼミC斑2回目の報告をさせていただきます。

第2回:エドワード・T・ホール『文化としての時間 The Dance of Life: The Other Dimension of Time』(宇波彰 訳、TBSブリタニカ、1983)

 

1回目では時間をどういった概念で捉えるかという事が、年代ごとでかわってくるということを扱いました。(例えば近代以前のそれと現代では大きく異なるというように)

 

しかし、2回目で取り上げた「文化としての時間」ではそこにある文化やコンテクストごとに時間の概念が変わるのだということを学びました。

1回目の本では大きく年代で捉えている時間の概念というものも、実は文化ごとに時間という概念が違うということを見ました。

例えば、同じヨーロッパでもドイツとフランスでは真逆と言っていいほどの時間感覚を持つのです。

だからこそ、その文化やコンテクストを理解していないと、多文化の人とそコミュニケーションに齟齬が生まれてしまうのです。

異なる文化、そして自分の文化を相対的に見なければグローバル社会を乗り切れないな、と個人的に思いました。

 

 

しかし、この本で書かれている日本の文化やコンテクストは少しずれていると感じました。

 

 

 

 

サブゼミC班 3回目

こんにちは!

M2吉田です。

順番が前後しますが、サブゼミC班3回目の報告です。

 

サブゼミC班(時間班)は、第1回、2回で下記2冊の課題図書を読んできました。

第1回:真木悠介『時間の比較社会学』(岩波書店、2003)

第2回:エドワード・T・ホール『文化としての時間 The Dance of Life: The Other Dimension of Time』(宇波彰 訳、TBSブリタニカ、1983)

 

第1回の、『時間の比較社会学』では、そもそも時間という抽象的な概念は未開社会の時代には存在せず、昼/夜、夏/冬、という異なる領域として存在し、その領域を行き来し振幅するような感覚として捉えられていたということがまず語られます。そこからどのように時間という抽象概念があらわれ、不可逆なものになり、現在私たちが持つ、無限直線で数量的で不可逆な時間の概念が形成されてきたのか、ということを社会構造の変化(未開社会から氏族社会、国家確立、一神教誕生、資本主義社会)と共に追っていきます。社会構造の変遷は時間概念の変遷でもあり、それはどんな関係性を持っているのかを見ていきました。

 

第2回の『文化としての時間』は、そこにある様々な文化やコンテクストが、時間の概念を定義しており、各々がもつ文化によって形成される時間の概念は変わってくるということ、そして各々が持つ時間(リズム)を、同期させることによって私たちはコミュニケーションをとることができる、ということを様々な事例を通して学びました。

 

第1回、2回で学んだ、「時間という概念は初めから存在するのではなく、その時の様々な社会のコンテクストが時間概念を形成する」ということ踏まえ、第3回は、建築における時間の概念と、その背景にある社会構造や社会思想との関係を見ていくことにし、鈴木博之 編『復元思想の社会史』(2006、建築資料研究社)を取り上げました。

“復元/復原/うつし/破却・抹消…” これらは建築に見られる時間概念の、考え方の様々なモードとなっています。これらの概念の定義も、このうちどれを選択するかということも、その時の社会の要請に従っています。

この本から様々な事例を取り上げ、日本において各時代にどんな建築の時間のモードがあり、どんな社会の要請があったのか、ということを議論していきました。

 

この本は3年前のサブゼミで扱ったこともあり、最初に青井先生から解説をいただきました。

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図のように、AとBの同一性の学問的保障や了解の仕方の様々なモードが、復元や復元や写しという概念として現れていて、それが時代の要請に従っている、ということをまず共有し、いろいろ事例を見ていきました。以下一部を簡単に紹介します。

 

■うつし、復元、模型

たとえば、寛永19年(1642)に江戸に建立した“三十三間堂”は、京都の三十三間堂のうつしとされているが、オリジナルである京都は千体の千手観音像を持つのに対し、江戸は一体の千手観音像。軒下や全長の寸法はオリジナルと同じだが、それ以外はうつされていない。では何をうつすことを“うつし”と呼ぶのか・・・ということが議論になり、「イベント(出来事性)」という意見が出ました。オリジナルの三十三間堂で行われる、「武士のランク付け射術(弓術)競技大会」という出来事性を江戸にうつすために必要な要素(競技に必要なスパンや軒高や少なくとも一体以上の千手観音像)がうつされ、それ以外はうつす必要がない、その結果江戸の三十三間堂ができあがります。

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↑江戸の三十三間堂

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↑京都の三十三間堂

 

他にも、札所巡礼の行程を一つの建物にうつした「曹源寺栄螺堂」はイベントをうつしているが、長崎のハウステンボスは…??城の復元はうつしでもあるのか??さらに模型の話が出てくると、どれも模型でないとは言えないよね、などなど、今までなんとなく思っていた概念がどんどん揺らいでくるような、とても面白い議論になりました。

 

■式年造替

式年造替は、一定年ごとに神社の本殿を中心とする建物を作り替えるシステムのことで、現在伊勢神宮で引き継がれていることで有名です。伊勢神宮独自のシステムだと思われることが多いですが、近世まで多くの神社で行われていました。

また、古代の様式を維持するために一定期間で壊して建て直すためのシステムだと思われがちですが、実際にはその時代の有力者の権力関係や背景を常に反映しており、徳川幕府の諸大名が自らのアイデンティティを古代に求め、古代的な建築形式の創造を補完するために式年造替が利用されるなど、様々な変化をしてきました。

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以前のサブゼミの時に話題になったそうですが、式年遷宮は、上の「復元(原)」「うつし」だけでは説明できない特殊な概念で、たとえば「先取り的復元」「一瞬だけうつし」のように解釈できる、という点は非常に面白く思いました。

 

全体を通して、第3回は、建築における時間の概念と、その背景にある社会構造や社会思想との関係を見ていきましたが、今まで持っていた概念をもう一度問い直すことができて勉強になったしすごく面白かったです。

東京駅の復元再開発が完成したり、いろいろな町の歴史をマニアックに深堀していくブラ●モリ的なTV番組がすごく増えていることとか、近代建築・近代産業遺産が次々に文化財登録されようとしていることなどを考えると、今の日本の経済状況やいろいろな社会構造が過去を見つめなおすような思想をつくっていて、それがいろんなところにあらわれているんだなぁと思う今日この頃です。

 

とても充実したサブゼミでした!!

おつかれさまでした!

 

m2吉田郁子