5.23 A班ゼミ発表
5.23 A班ゼミ発表
5月23日のゼミはA班の二回目の発表でした。
発表順は津田→武田→越中→寺澤です。
津田「月と建築」
前回の発表から、月について深く調べてきた。
日本における観月の始まりは、定かではないが平安前期の家集「田氏家集」では斉衡三年(856年)や貞観元年(858年) また、和歌においては、平安時代前期~後期だとされている。
まず月の特徴から結びつくものを挙げていく「エリアーデ 豊饒と再生」より「月と時間」
「月における神の顕現の連鎖」
「月と蛇」
「月と死」
「月と植物」
「月と豊饒」
「月と水」
月を意味して蛇を信仰しているような例もあるので、月が見えていないようなとこでも信仰が出てる可能性も考えられるため、さらに調査を深めていく予定。
【議論】
月と何かの関係性
月と〜を結びつける論理は書いてあるのか?
→例を挙げていって、それらの例が何らかのつながりを持つことから
参考文献にある「月と建築」では視覚的なことしか書いていなかったのか?
→本の内容的には写真が多く、視覚的な要素が多かった(月を見るための建築とか)
エリアーデは論と詩でいったら論
奥の人類学者は膨大なフィールドワークから、一つ一つの固有性を全
部記述する。 →-grphy 詩
詩を一般化して、ここから学や論を構築する→-logy 論
エリアーデはlogyを成立させるために事例を挙げている。
月にあって他にない特異性(月と太陽の違いなど)といった即物的な差異を多くあげていくことはどうか。
月と何かを関係付ける方程式がどう成り立っていくのかを考えるべき。
武田「霞ヶ浦に面した村落、都市の社会と空間に関する研究」
霞ヶ浦に面した村落・都市の社会と空間に関する研究において、サブゼミで扱った港千尋『洞窟へ』を参考に、「霞ヶ浦世界」に生きた人々が湖を身体化し、特異点に構築物を残したと考えるのなら、そこには何らかの意味が存在していたのではないかと、作業仮説を立て研究を進めていく。「霞ヶ浦世界」に生きた人々のコスモロジーに迫っていく。
【議論】
鎌倉時代に埋め立ては可能だったのか?
→当時の知識、技術はかなり発達していて可能だった。
地図にある建物は何が建っているのか?
→土産場所、倉庫、小さな小屋、荷物置きなど
鹿島からの来客が多かったために、これらのものが設置された。
常夜灯はほとんどずべての船着場には作られたのか?
→全てとは言えないが、夜間や霧が濃い時の目印として、また、重要な場所に建 てられた。
常夜灯の大きさは?
→大きさはバラバラで、寄進する人の経済力などによって大きさが異なった。
越中「東京における墓地について」
前回の発表から都内の共同墓地がなぜ現在の一等地と呼ばれる地域に建てられたか、という疑問から、共同墓地の調査を進めた。現代の墓地制は、関東大震災後に寺院墓地が壊滅状態になってしまい、新たな墓地を形成していく動きとして受託墓碑制度の制定から、形の形状が制限されたカロート式の墓碑が一般化した。墓地制の調査から、異なる宗教感の墓地への疑問と、墓地の必要性などを調査していく。
【議論】
受託墓碑制度の前はどういったデザインだったのか?
→オーストラリやドイツの墓地を参考としたデザイン 墓地をデザインする人がいた。
市区改正によってつくられた墓地は政府が管理していたのか?
→共同墓地は都が運営していた
カロート式のデザインはどのように決められたのか?
→関東大震災を機に安定感を求めて、カロート式のようなデザインになったのではないか。
墓地の需要が決まった時に初めてデザインが決まってくる。近代以前はイエ制度といったものが強かったが、近代のアトム化によって個人がバラバラになってしまった。近世以前のイエというものを物化するために墓が必要になったのではないか。そこで初めて、宗教や衛生面といった二次的要因が出てくる。
寺澤「イエという象徴」
前回の興味であった屋根の存在感に対する違和感を、建築のもつ象徴性を軸に調べた。
未開集落の家と象徴、近代化後の建築と象徴、象徴の嘘、などをあげた上で、建築の象徴的要素の出現の仕方を個人的に分類。これらのことからイエ型は何かを象徴する目的をもっていた訳ではなく、事後的に生まれた象徴と考えられそうと仮定。今後の方針としては、イエ型の事例を収集し、象徴以外の多角度からその性質を分類する。
【議論】
分類は自分の指標で行ったのか?
→そうです。
程度の差によって、分類が困難なのでは?
個人の感覚によって分類にズレが生じるのではないか。
嘘ということから何を伝えたいのか?
→内と外の不一致
象徴性には多元的な意味があるのではないか、しかしあの存在感には違和感がある。象徴性とはどのように出現するのか。多元的な要求が積み重なった挙句、象徴性が強調されてしまうのではないか。
以上、A班の発表でした。
山下