180419 M2(河野・今・寺内・保川)ゼミ

M2 初回ゼミ

 

こんにちは、M2の杉本です。

数回ゼミをやる中で、院生が少ないことに若干の辛さを感じております(笑)

去年までは院生の方が学部生より多かったので、発言者に偏りがあったとしても議論が進行できましたが、今年は常に発言をし続けていかないといけません。今後B4やM1も積極的に議論に参加してくれることを期待したいと思います。先生もよく言ってますが、わからないところや素朴な質問をぶつけるのがとてもとても大事なB4の役割であり、恥ずかしいことは何もありません!(学年が上がるとそれだけじゃだめなんですけどね…。)どんどんバカらしい質問をしていってください!

 

さて本題のM2の4人の発表の内容です(まとまってなくてごめんなさい)。↓

 

河野(さきちゃん)「米軍による横浜の接収」

【内容】

・戦後、接収によって移動が余儀なくされることが特に多かった横浜での影響・変遷をたどる。接収時・接収解除時の急激な面積の変化への対応とは?

・M1の時は公園を対象地として研究していた

←元々緑地の不足が問題視されていたため、返還時には公園に用途変更する場合が多かったため

・A(土地所有者)←地代←国→貸す→米軍

・接収:国が地代を払ってAさんから土地を借り、その土地を米軍に貸すという仕組み *民有地扱いなので課税アリ。

・接収地のほとんどが民有地→返還後売却されることで国有地化

 

【質疑】

・なぜ接収を研究対象とするのか?

→計画にいたる思想に興味がある…

・接収とはそもそもなんぞや?(M2がB4の代わりに質問してくれていました!笑)

→米軍は開発(住居・軍地)していくために大規模の土地を確保する必要がある

・成長し、スプロール化していく通常の都市と、接収により凍結・放出が起こった都市(横浜)はどう異なっていたのか?

・通常の開発(一体とした国有地の確保)⇔接収開発(モザイク状)

◀数十年後に返還されても市民的には困る→売る→接収地は国有地が増えやすい

◀しかしモザイク状で点々としているので、組み換えが必要とされてくる

→選択換地方式(希望して移動することを認める)

・根岸地区は接収地の中にポツンと民有地があってまだ住んでいたりするらしいけど、なぜその状況は起きるの?

→まだわかっていない

 

*どのように~というのは目的にならない(具体性の欠如)

仮説・問題を明らかにするということをできるだけ端的に伝える・まとめるという事を常に発表の回では意識しよう!

 

今(コンちゃん)「旧東京府郡部におけるグリッド・パターンの多様性」

【内容】

・グリッドと単に言ったとしても、東京内でのそれぞれのグリッドには先行形態が確実に関わってきているので、場所の固有性を探求していきたい

・既往研究ではグリッドのパターンを

・都市計画をする上で、設計指針・設計標準がある→これがグリッドのパターンへ影響

←都市公論に多く論考が残る

・設計標準の改正(1924~大震災~1927~1933~戦災復興)

・先行形態への対処する計画者のもがきを見たい

 

【質疑】

統計学的な論文でおわるだけではなく、特異点からその思想を分析していきたい

・抽出グリッドの尺度→フリンジまでをカウントしている

・都市公論の記述(1920~30年頃が多い)

←1919年の都計法(都市計画法)の適用は6大都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸)のみであった

・小澤さんの既往研究のように、指標を作成するうえでは恣意性は全く入れずに機械的に行うことが重要

*問題点:川沿いなどの長いところは巨大な値になってしまう

←ここをどう扱うかを考える必要がある(恣意性を入れるか否かetc)

・計画上の面積主義と価格主義とは?

 

寺内(テラ/寺西)「近代建築運動におけるドイツの工作概念」

【内容】

・建築家の職能が近年多岐にわたってきているが、建築家は「建築をつくること」を第一に置く職業だと思う

→建築家の思考とデザインに結びつかせていく枠組みを明らかにしたい

・近代建築運動の中で、工業化を背景にしながら新しい建築を求めて試行錯誤してきた。特にドイツは工芸と芸術を結びつけようとしてきた。

・「工作人」:材料と製品の中間(普遍的)であると同時に、文明や時代によって個別的存在

・ゼンパーにとっての様式:複数のスタイルの統合ではなく、ある原理の上に構築された統一的なもの

・人間と素材の出会いの中に工芸概念の誕生を求める

 

【質疑】

・個別的存在/普遍的存在の共存とは? 普遍的:必ずいるっていうだけのもの。

・人間:神が作った最高のもの⇔工作人:神が作ったものを加工してしまうやっかいもの

・architecture(概念としてあるもの)→work(技術=実現の手段)→building(実在の建物)

・ドイツでは「このworkから出発すれば、architectureを変えうるのでは?」という思想の元に活動

・workを抽出する際にはどんな文脈の中で扱われているのかを考えることが重要

 

*抽象的表現について

2つ以上の文脈が表示されていない場合には悪い意味で指摘される。

抽象「化」して説明することは重要。

 

保川(あづちゃん)「文学作品における都市空間 –佐多稲子に着目して-」

【内容】

・文学を通してあらわれてくる「実態のない都市」から都市を考える

佐多稲子プロレタリア文学作家)に着目中

←革命運動/女性解放運動/戦争責任の問題という3つの軸

【質疑】

・実態のない都市がどんなものなのかを明らかにするのか?佐多稲子が見てきたものを明らかにするのか?

→現実の都市の姿を知るための素材としてみるのではなく、人物の背景が都市描写にどう影響されてきたのかに興味がある

佐多稲子は「自己の説明を加えない」と述べているようだが、そんなことって可能なのか?結局フィルターはかかってしまうのではないか?

・文学論で終わってはダメで、都市や空間に落とし込んでいかなきゃいけない

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今日の発表を通して、分かりやすく「伝える」ということの難しさを再認識しました。全員で議論ができるようにするための基盤を作ることを意識しながら、レジュメづくりや発表を考えていきたいですね(これが難しいんですけど…)。

 

修了まであと一年しかありませんが、M2全員で刺激し合いながら、楽しんで研究進めていけたらいいなぁ!という抱負で締めくくりたいと思います。

 

M2 スギモト