今年度最後のゼミ
みなさま、あけましておめでとうございます。
新年初めてのゼミはM1のこんちゃん、まりえさん、さきちゃんです。
さきちゃん
『米軍による横浜の接収ー復興都市計画における公園事業に着目してー』
(発表)
・敗戦後の戦災復興事業の第一期と第二期について
・第一期は石川市政期であり新たな都市構想が樹立された時期であり、「横浜復興都市計画概要」と「横浜市建設計画概要」が挙げられる。第二期は平沼市政期であり接収解除の促進と解除地の復興に重点を置かれた時期であり、都心部や横浜港の整備が急速に発展された。
(質問)
・それぞれの計画は何年くらいを目安に行われているのか。一期から二期に引き継がれているものはないがどうしてなのか。
・横浜と神戸は貿易において強い勢力を持っていたから横浜国際港建設法ができたのは理解ができるが、それが接収とどのくらい関係があるのか。
・石川市政、平沼市政を見ていくと公園と接収がどのように関係していきそうなのか。
・摂取された場所は凍結されていたから、公共事業になりやすかったはず。そこにどの人が関わって、どのような戦略があったのかを見ていくのではないのか。
・地図や空間は見ないのか。接収地だったところをどのくらいの規模で公園にしたのか、分布はどのようになっているのかを見ていかないのか。見るのであれば、第一期と第二期で違いが出てくるのかとか、現在との比較をしていくのが良いのでは。
・第一期と第二期と二つに区分するだけでなく、解除された年数とか小さな数字を見ていくのも必要だと思う。接収したアメリカ側の思惑も必要なのではないか。
こんちゃん
『旧東京府郡部におけるグリッド・パターンの多様性』
(発表)
・アウターリングの整形グリッドの抽出と計測。
・三つの論考の発表
鈴木勇一郎・高嶋修一・松本洋幸『近代都市の装置と統治1910-30年代』
→区画整理における「面積主義」と「評価主義」の対極
池添昌幸・竹下輝和『旧法規土地区画整理事業における街区標準及び画地標準と換地
処分時の計画実態』
→福岡における現在の区画を幹線道路との関係性を元に見ているケーススタディがあ
る
鶴田佳子・佐藤圭二『土地区画整理設計基準からみた制度創設期における土地区画整
理設計の考え方に関する研究』
→「土地区画整理私案」「土地区画整理審査標準」「土地区画整理設計標準」の三つ
を詳しく見ていける
(質問)
・グリット間と方位の軸が複雑化しているが、どういう理由があったのか。
・設計標準には数値が出てくるのか。出てくるのであれば、それに各自事業が従うのは
何故か。どのようなメリットがあるのか。
・グリッドがつくられた場所とつくれなかった場所がある。つくることができた場所の背景には、江戸時代の農地がそもそもグリッドだった、耕地整理が先に行われた、市街化の波が先にきてしまい、後にグリッドが引かれたなどの様々な背景がある。そこを洗い出していくだけでも面白い。
まりえさん
『近世近代家宿考ー制度/民族/出版/災害/寺院ー』
(発表)
・研究背景の確認
→家的、宿的空間を再考するため、制度、民族、出版、災害、寺院と新しい視点で見出
していく
・今回は菊富士ホテルについて残っている文献を元に下宿についてを考えていく。
→菊富士ホテル…旧来の間貸しの延長としての下宿屋の持つ、擬似的家族的な共同居住
を一歩越え、共同住宅としての体裁に近かった。様々な文化人が泊まる場所であった
が、男女の逢瀬の場として、仕事場として借りる者が多かった。
・大正期の住居言説として「個室」と「国民国家」問題が頻出し始める。
(質問)
・旅館下宿と宿代を支払わない。
・木賃アパートの形態(片廊下型とか中廊下など)はこの論文として関係があるのか。
・「個」の話はB班のサブゼミでのアトム化の話と関係してくる。個の意味が変わると、明治期と戦後でまた違ってくるのではないか。
・菊富士は1966年まで旅館下宿(重村勉さん命名?)として機能していたのか。
・下宿営業は宿泊になるのか。間貸の下宿も宿泊業になるのか。賃貸とは違うのか。
・宿泊業と賃貸とは何が違うのか。
・高度経済成長による一定の流動層があって、その人たちが住む中間的な居住形態を人々の認識や住民と大家さんの関係性に着目して見るのも面白いのでは。
新年度初ですが今年度のゼミは終わりました。
B4はあと二週間後には卒計提出、M2はあと約一ヶ月後に修論提出です。これだけ自分と向かい合ってきた時間はとても貴重だと思うので、それを大事にして最後のラストスパート頑張ってください!
M1 保川