2016.10.26 ゼミ発表
今日はM1メンバー中井、富山、古谷、池田の発表でした。
中井希衣子「稲荷(の民俗的)信仰からみる都市の変容」
・東京における稲荷の分布
13区における稲荷分布は、区のアウトラインと重なる輪郭
皇居、新宿御苑周辺は穴が開いたように稲荷がない。
・東京都港区新橋芝地区のケーススタディ
・社会構造との接続
[講評]
・稲荷「お天道様」は防犯カメラに置き換わりセキュリティ、コミュニティーを担保していた?
←稲荷が衰退した原因のすべてであるわけではない。
・社会集団の変化のありようと、空間の変化の関係を考えるべき。
社会と稲荷の関係は何か?具体的に考えること、記述することが必要では?
・なぜ1933年の地籍図と現在の地図を比較したのか。
1933年の地図ではすでに震災復興によって土地のシャッフルがすでに起きてしまっている。
・都市額における「社会構造」=土地所有形態
・伏見稲荷と全国の稲荷の商売関係を調べるテーマも面白いかも?
・稲荷を置いておくとその周辺の土地の税金が免除になる?
・コミュニティーという言葉に引きずられすぎるのはよくない。
多様な社会の結びつきをしっかりと視野に入れるようにする。
富山大樹「世俗化と建築」
中川理「わが国における郊外住宅地開発における宗教施設誘致の歴史的研究」2006より
・郊外住宅地には宗教施設が少ない。
「明治19年の内務省による社寺の創建を禁止する令」
事例による考察
北海道 人口増加と宗教施設の関係
昭和戦後期における大阪の郊外住宅開発に見られた寺院の誘致
[講評]
・今回の発表内容と世俗化との関係は?
・資本主義は世俗化を排除する方向、民衆は世俗化を補完する。
・鬼門封じとは何か?京都でいう比叡山。東京でいう寛永寺。両方とも巨大。
・明治19年の創建禁止令について、なぜこの年?場所はどこか?
都市について具体的理由はわからない。植民地、北海道、沖縄は例外。
・寺社を立てるときの施主はだれなのか?
・寺院(鬼門封じ)を立てることでその周辺の地価はどれくらい上がるのか?
古谷優実「住宅建築の形態と都市」
基本的な住宅変遷の整理1887年から1959年まで「日本の近代住宅」(内田青蔵/鹿島出版/1992)を参考にして。
・壁の構造からみる空間の変化
大壁系(西洋風)と真壁系(和風)の分類
[講評]
一番面白い部分はどれか?
和室と洋室、日常生活の場ともてなしの場の変容過程は?
上記の本はどの場所をターゲットにしていくのか?東京でいうと都心かアウターリングか郊外か?
住む人の階級。建築作品かアノニマスな作品を取り上げるのか?
敷地内部や間取りの話に限定されてしまっている。(間取りの近代化)
タイポロジーは都市もとにした細胞の分析である。
もし、研究対象を都市にするのであれば自分の研究対象を明らかにしなければならない。
アーバンティシューやタイポロジーを意識する。
かつ広い視野を持つこと。
池田薫「多摩川流域における流域都市の形成過程の復元」
・マクロな視点での多摩川と隅田川の比較
・多摩川流域の近代化に影響を及ぼした軍需工場の変遷
・府中市のリサーチ
講評
なぜ多摩川と隅田川戸の違いがこれほどまで明確なものなのかを数値を用いて説明でいるとよい。勾配、川幅など。
土地が開けている、安いなど
産業と空間の関係をみる。
今日はM1メンバー後期初回のゼミでした。前期までの研究を踏まえたうえで、今後の修士論文がどのように組みあがっていくか楽しみです。
B4大山