12/12 ゼミ発表

議事録

 


本日の発表者は2名のことで、M2の寺内達也と河野紗輝である。

 

 


M2寺内さん

 


「バウエンクスト・モダニズム–世紀転換期ドイツにおける「工作」」概念の諸相と転位」

 


発表の内容は主に第二章の内容と構成であり、ゴットフリード・ゼンパーと工作の概説、特に2−2 工作の概念–始原的な四種類の工作技術とそれを扱う工作者について解説した。

まず、『建物芸術の四要素』でのwerkを解説し、ここでのwerkが一単語ではなく、マルグイレヴやフランプトンが重要だと指摘した空間を生成する方法である被服の、最もプリミティブないトムという行為に対してwerkが使用されていると推測し、このwerkが意味しているのは、最もプリミティブな「作ること」として理解することが可能だと考えている。そして、『芸術・科学・産業』でのwerkについて解説し、werkの前にkunstがついていることに注目すると、werkには芸術の意が含まれていないことが推測できる。工作が芸術となるのは、それら技術的手段や作品に作用する民族的や個人的諸因子を達成した後のとこで、そのwerkを扱う人間として出てくるのが工作者になり、古典から遺脱することで、職人術や工業技術の進行過程における結構の例を強調しながら、もっと普遍的な「作る」ということに自らの理論の根本を置くのである。また、『様式(技術的・広報的芸術における様式、あるいは実践美学)』でのwerkを解説した。工作が芸術になる場合には、前提条件のwerkが基盤となりつつ、芸術としてはその結果として観れる、つまり、ここでも芸術の意を持たず、また歴史を理解する上では、結果としての芸術工作ではなく、生成過程はwerkを識別しなければならなく、芸術を生み出す上でwerkは基盤となることである。まとめると、werkによって、作ることに対して人間の存在を見ることができる。つまり、耕作者が素材に与える操作がwerkであり、それはも父もぷりみティなものであり、人間と素材の関わり合い方の模索、つまり技術を駆使して素材に働きかける人間を中心に据えるという考え方がある。

 


先生:作ることと作られたものと混んでいる。なぜ、19世紀中盤ぐらいにゼンパーがこいうの論じるのか。様式を論じるではなく、様式をどうのように生み出されていたのかのプロセスを考えていく。

 


滝口さん:この時代の建築史の流れとして、まだ歴史準備の時代で、その歴史に対して反発的に批判が始まるのは20世紀ではないかと思うんですけど、つまり、ゼンパーは歴史を批判するではなく、基本的に様式的な根拠の不在を批判していると考える。

青井さん:様式不在というのは相当範囲広いです。

 

 

 

 

 

 

M2河野さん

 


「戦後横浜市における米軍接収地の変容過程–凍結された土地とその都市史の考察」

 


第3章のケーススタディの中で、土地売却先と財産類型、土地売買方法について解説した。土地の売却先は三箇所あり、大蔵省(現財務省)、総理府(現防衛省)、横浜市であり、いずれも米軍に提供するための普通財産だと考えられる。また、売買方法は売買、物納、買収、所有権移転四種類が見られるが、それぞれ相応の地域に対して理由があるらしい。また、「国有地、民有地混在図」の建築不可能地は、建築基準法上の道路(幅員4m以上)に2m以上接していないと考えられるらしい。そして、神奈川新聞により、本牧地区の接収解除までの流れを解説し、A、B、C、D、E、F六つのパターンをまとめた。

Aパターンは本牧1、2号、根岸、山手住宅合計4地区であり、木造平屋または二階建て690棟が土地の境界が曖昧、戦後の住宅の耐用限界にたし、首都圏整備法による市街地として中高層化、不燃化の要求によって、区画整理を実施し、鉄筋コンクリート6、7階建を建設し、民有地と国有地の境界をはっきり分離した。

Bパターンは本牧1号地区であり、建て交換方式で建物を他地区に移転し、区画を民有地と国有地はっきり分離する。

Cパターンは横須賀市長井地区であり、実際使用されている面積が小さく、農林省に野菜生産指定地としての耕作台地に囲まれているので、本牧地区集約した。

Dパターンは横須賀基地であり、埋め立て予定地と基地が並存し、近隣水域が米軍に制限されているため、漁業補償などの問題は他地区より小さく、埋め立ては制限水域内で行われるため、日米地住協定第三条により「埋め立てに関する事項も米軍の一存となっている」、それで、国内法による横須賀市の意向が反映されるか否かが問題となる。

Eパターンも横須賀基地であり、山に隣接する埋め立て予定地が埋め立て後に浦地区移転・集約と引き換えによって、山を削り、11万㎡に約700戸を建設した。

Fパターンも本牧であり、国有地三分割方式があり、通常地区と違い、国利用、地元利用、山頂、公園(地元)が混在する珍しい例である。

 

 

 

 


寺内:これ実際ABCDEFはどこのエリアにあるんですか。AとB隣り合わせとか、AとE隣り合わせとかというのがあるのかとか

河野:場所に表しているものが違うですが、一枚左上の図によるです。

寺内:その図について、計画が四年ごとに変わることがなぜ重要ですか。

河野:本牧地区内で完結される、四年ごとに変わるということは、本牧地区内だけではなくて、地区外にも影響を与え、 一つの違いとして現れていて、時代背景的にも集約というのが米軍によって収用されている。