10/31日(水) ゼミ発表

今回はM2三名です。

 

 

M2 今『旧東京府郡部のグリッドから見る都市変容に関する研究』

【発表】

都市に存在するグリッドをマクロ、メゾ、ミクロという尺度で整理し、その中で取り出すことができたグリッドの形態を図式化。出てきた図式から、その形状に影響を与えている要素を検討する方法を検証。

正方形を、数字的にずらしていくことで取り出すことができた理論上のグリッド形状を基準にしながら、都市に存在するグリッド形状の中で、それら形状がどのような要因により成立しているかを探る。グリッド形状に因子を付加することで、グリッドという物差しにより都市の変化を捉える。

【質疑・意見】

・コアとフリンジにより何がわかるのか?

・直線と曲線が組み合わさっている

→歪んでいるけれど何かは譲らないという関係で生まれているのでは

→事業主、川、、、?

・この研究内での条件でしか出てこないグリッドの形態

→グリッドの形態抽出により新たな都市条件の視座を獲得することができる、と考えておこなっているの?

・何を見るかは整理されているが、どう見るかはわからない

・事業などの条件でのグリッドの取り出しと、形態のみでのグリッド判断の対比から見えてくるものがある

→ある程度事業記録を取り出せる場を選択

→意図する(計画)、意図されない(外在的要因)の関係が見える→地形かな?

・ニコイチは道路の方が早いのか、街区の方が早いのか?

・帝都復興では枝が出る気が

・街区とインフラの関係はあるのでは?川を真っ直ぐする工事との関係が気になる

・越境できるものと越境できないもの

・インフラとの関係を考えすぎるとプレッシャーが高まる。無理なケースが最終的には残るため、的を絞る。やっているうちにヴィジュアライズと蟻地獄の関係が見えてくる

・棒グラフに形の推移だけではなく、年代やインフラとの関係を盛り込んでいけば?

・事業と形態、年代と形態で自動的に振り分けていく

・区や市で区画整備が推進されたところはないの?→メゾになるのでは?

・地形でなく地質で推し量るのは?

 

 

M2 保川『佐多稲子の文学作品から読む生活空間』ー稲子の体験を視座にしてー

【発表】

佐多稲子の立ち位置を、私小説ではなく客観小説で捉える作業。4章の客観小説の資料まとめ。稲子の私小説の中でぼんやりと掴み取れていた稲子の立ち位置が、今回作業で具体化。稲子が置かれていた空間背景を図式化し、その中での稲子の立ち位置を捉える。

文学作品の中に浮かび上がる都市空間を捉えることで、個人の空間像が、私情や時代、場所によりイメージとしてどのように作り上げられるかを捉える。 

【質疑・意見】

・どんな風にまとめていこうか?

・一連の長屋、平面図はもっと立体的に描くことはできないか?

→あまり空間のイメージが持てない

・近代住宅の形態から、それぞれの建物を判断することができるか?

・近代住宅史の基礎的なところは押さえておくべき

・平面図が外との関係を描いているものが多い。家の内部を描くことはできないのか?

・年代による違いは、書きっぷりによるものなのか?書かれているものの違いなのか?

・主旨、稲子の目のつけ方、描き方の変化はあるのか?

・戦争責任を自分に問う際、私は大衆的すぎたという思想はどう現れているのか?

私小説を読み取ることにより大衆性を描けるのでは?

→読取れないということは、なにか想定できる大衆性があるということ?

・稲子の私小説は一人称で描かれているのか?

・客観小説の中に自分を投影している人物は存在しないのか?

・一郭というのはどういう意味?何をもって稲子が一郭という表現をしているのか?

・住宅法で、長屋は2戸までという法律ができてたよ

・文学専門の先生にみてもらうべき

→見せに行った時に、論文の説明をすることができるのか?

佐多稲子文学からしか取り出せない生活空間とは?

・そういうことをすぐ応えられるようにする。文学を通して読み取りたいという着眼点を持つこと。自分の論文に対しての立場をはっきりさせておくことが重要。

→例えば、近代住宅のタイプは均一化されているけれど、住んでいる人の私情が反映されているタイプはない。住宅タイプに社会タイプを重ね合わせることは多い。住宅タイプに稲子の私情を反映することで浮かび上がる都市像を描くこともありなのでは

・なぞる作業と解釈の作業を同時進行で。小まとめ→中まとめ→結論まとめ

 

 

M2 杉本『近世近代家宿考』ー下宿都市東京をめぐる世界ー

【発表】

今回は3章-学生都市・東京、4章-下宿モビリティについてまとめたゼミ。

以下キーワード。

3-1東京の諸学校 

   「読売新聞」学生、教員、文学 「朝日新聞」中小商人 

  他「ホウチ新聞」「ヨロズ新聞」

3-2学生を受容する住まい 下宿屋・素人下宿・寄宿屋

      書斎下宿:家・部屋の延長

      上野図書館通いの連中:図書館利用の為に下宿利用  

      日曜下宿:特に兵隊→ものを置き続けたい

3-3学生堕落と治安維持

    寄宿舎から下宿屋へ移行し、そこから堕落と素人下宿へ至る学生二手へ分化

3-4留学生の諸問題 清国・豚肉料理

    清からの留学生の流れが豚肉料理へとつながる

4-1 下宿モビリティ

    天井の映る薄い味噌汁:利益を上げる為極端に薄めた味噌汁

4-2 土地移動:駿河台、本郷はキャパを持っていた

4-3 下宿(移動)コミュニティ

    下宿のシステムが魚文化につながる。下宿から出る排泄物が肥料に

「下宿」に焦点を当てることで「家」と「宿」に対する認識を捉え直す。

【質疑・意見】

・下宿を運営している側の思いは?

・下宿の利用者層はわかるの?

中流階級ではなく地主では?→中流階級とは?

・営業している側のことが気になり始める

・辞書で調べる作業は?

・新聞に書かれていることの裏を読む作業は気にした方がいい。新聞にも立場があるため、そういうことを気にしながら読む、交えながら論文を書いていく→論文の信頼向上

・下宿は今もあるの?下宿と間貸に違いがあるの?

・形態はどうなのか?空間のイメージがつかめない
・4章以外の章は下宿がどう使われていたのか、せめぎあいについて。4章で急に金銭的なことについて、なぜ?
・家と下宿のことを考えていく論文になる可能性は?
・全体がモビリティ〜だと感じる
・モビリティーの移行がまずあり、それにより下宿的なものが出現する。その中で4章のモビリティはなにが特殊なのか?

・4章はもしかしたら一章に入るのかな?→結章に持っていってもいいのでは?
→無理やり一章にまとめようとすると、あとで述べることを述べることになる
→論拠のないまま全体を述べることになる
・例えば:第一次世界大戦後から戦争に突入するまでの経済的に不安定な時期・恐慌に、米の高騰などがあり、その頃に都市への人口の流入によるモビリティ、経済的変化によるモビリティ。明治期の下宿の基盤が、経済的変動によるモビリティの変質により変化するという見方ができるかもしれない。
 ・6章もモビリティと見れば、全体としてモビリティの類型として章立てていくことができるかもしれない。
・イベントが終わったあとはどうなるの?
・いつの時期かにもよるが、直感的に選択。
・4章は大きく分化と変質のモビリティ、そこにイベントがさらなるモビリティ撹乱要素として存在する。とすると全体をモビリティの論文として捉えることもできるようになるのでは?

・タイトルは変更した方がよい。下宿に対する視点を盛り込んだタイトルに。

 

 

追い込みの時期に入っていることがよくわかった回でした。

僕も論文なので常に追い込んでいかねばと思います。 

 

B4 図子