B4小論発表_0927

今回はB4の小論発表です。この小論は前期と夏休みの研究の集大成となっています。

 

図子くん『感覚としての言語、ハディドにおけるドローイングのロシア・アヴァンギャルド による理解』

【発表】

ザハ・ハディドのドーロイングと共に制作された作品を扱い、彼女のドローイングが作品に何をもたらしているのかを解き明かす。そのために、ザハはマレーヴィチの作品を起爆剤として飛躍していったので、マレーヴィチについてと、ロシア・アヴァンギャルドについて調べることから始める。

【質問】

・ザハの作品でドローイングの定義で、黒い紙に白い線を描く、白い紙に黒い線で描くのは図子くんの感覚なのか

・ザハに関する研究あるのか?

・最終の目的は、ザハを通してマレーヴィチなどのロシア・アヴァンギャルドの人たちの作品を見ていくのか

 

よっしー『東立科の来歴とアクターネットワーク』

【発表】

地元の長野県佐久市東立科はかつては酪農や農業をしていたが、後継者がいないので、ど んどん減っている。 開拓時代から現在に至るまでの発展や変遷を辿り、将来的にこの地をどう活用していくかを考えたい。 開拓時代は1階部分にコンクリートブロックを使い、2階を木造小屋組で建物を建てていた。昭和50年代になると、 牛舎が新築され、壁面にコンクリートブロックが用いられ、屋根は鉄骨造である。そこで アクターネットワークを考えてみる。 それは建物は建築資材というモノの集合によってできているが、そのモノに内在した履歴 やプロセスに着目すると、モノは能動的なアクターとして見えてくるものがあると思うからだ。(しかしまだそこを見れていない) またコモンズの再構築も考えていかなければならないと思う。地域固有の事物連関から、 どんな資源の取り扱いがコモンズを 成立させてきたのか、それが20世紀になると何が失われ、置き換えられ、どのようにハイブリットしてくるのかを見極めなければならない。

【質問】

・最初の入植者が24軒で、そこからどういう変遷があったのか

・なぜ牛舎の屋根はギャンブレル屋根なのか?

・立科の中でアクターネットワークはどう働いているのか?外どどう繋がりがあるのかが気になる。 集落の生活や建築、様々なネットワークを図化しないと何も見えてこない。また空間として繋がっていなかったらそれは意味がない

 

ひかる『ゴシック建築における、形と印象の関係』

【発表】

ゴシック建築を訪れた時に、その内部空間を「神秘的だ」と思うのはなぜなのか。まったく人為的に制作されたものでありながら、 人間が作ったのではなく自然的に作り出された創造物であるかのような印象はどこからくるのだろうか。 進めるにあたっては、同じキリスト教建築であるロマネスク建築の比較で明らかにしていく。比較の中で、ゴシック建築の尖塔アーチとロマネスク建築の円形アーチが内部空間の印象の差異に置いて最も重要だと考えている。そして尖塔アーチは神秘的な印象を与えている。

 【質問】

・高さ、上に向かう意識?に神秘性はあるのではないか

・尖塔アーチは点を作ることによて、そこに収束させてさらに上に続いていく意識にさせる。円形アーチだと視点が上から下に行ったり来たりしてしまう

・人間がつくったのではなく自然に作り出された創造物であるかの印象が神秘的に感じるということはどういうこと?

・神秘的という言葉も定義が曖昧。別の説明が必要になってくる

 

みす君『目黒周辺開発と歴史の調査』

【発表】

目黒駅周辺を敷地とし、駅前の開発といった人工的な要因と目黒川や起伏の激しさなどの自然の要因が含まれる地域での都市の開発のされ方、変化を見ていく。そのために、まず目黒の歴史を調べた。そして、現在の用途地域や駅前開発を考慮した上で、敷地の中でも花房山という地域に着目して、街歩きを行った。花房山の特徴としては、開発が進み、高層化していく中で、古くからの住宅が残っている。しかし小さな住宅の開発はあるため、様々な年代の住宅が見られためここに着目する。

【質問】

・花房山の写真のそれぞれが何が面白いのか説明してください

・花房山の用途地域と現状とか社会変化を照らし合わせていくことも大切なのではないか

・どこに大名屋敷があったのかを復元していくべき。長い目で見た時に、どのように変化してきたのかを見るとリズムが見られ 今後のことも予想されるの

 

ハラタケ『アフォーダンス研究と設計における行為の誘発』

【発表】

今後の建築設計をするにあたって、一種の設計手法を得るために生体心理学のアプローチを用いて、ギブソンアフォーダンス理論を学ぶことを目的としている。まずアフォーダンス理論の他分野でのアプローチを、デザイン、景観評価、シークエンス体験の分野から学ぶ。そして設計手法に対するアプローチを、中村拓志の「微視的設計論」と青木淳の「原っぱと遊園地」に焦点を当て、最後には建築に落とし込み考えていく。結論として、より多くのアフォーダンスを環境中に存在させると同時に、そのアフォーダンス同士ができるだけ干渉し合わず、どちらかが失われることのないような計画をすることが理想である。

【質問】

・包囲配列とは?

・傘立てのために穴を開けるのは一つの目的になっていて、これはアフォーダンスと言えるのか?

・設計の意図とアフォーダンスは独立していく。

中村拓志青木淳の設計手法をスケールの違いだけで判断していくのはどうなのか?

 

ゆいちゃん『「間」の魅力』

【発表】

街を歩いていると、ふと立ち止まってしまいたくなる「間」を見つけることがある。蜜でないからこそ都市の歴史や人の振る舞いが現れる隙間を切り取り観察することで、興味を惹かれる魅力的な「間」の解明をしていく。まず、「間」とは何かということを、日本文化におけること、磯崎新の言説によるものから考える。そして、乾久美子の『小さな風景からの学び』での写真とその観察から実際の都市空間における「間」の魅力を見ていく。最後には街歩きを通して、自分が魅力を感じた「間」を拾い集めていく。

【質問】

・「間」の日本的なものは空間に置き換えるとどういう空間なのか。

・タブーさがある「間」という空間をどう使うのか。

・仮説として”日本的”だと感じる「間」を取り上げていって、それを分類してみる。その上で”日本的”という言葉を外す。そうするとその「間」たちは”日本的”という括りを離れ、自分にとって大切なものとして残っていく。

 

竜くん『部分と全体のふるまいが作り出す秩序についての考察』

【発表】

日常生活の中で、例えば駅で路上ライブやダンスの練習をする人などが見られる。どのようにして人々の群衆が出来上がり、その場所性はどのような要素が関係した結果であるのかを解明したい。そのためにまず、”創発”の現象を見ていく。そしてその創発現象が実際に都市空間においてどのように現れてくるのかをアトリエワンの『コモナリティーズ』を参考にしていく。そして最後に、そういった集団には意識があるのかということを考えるために、郡司ペギオの『群は意識をもつ 個の自由と集団の秩序』を読んだ。

【質問】

・モノとコトについてコトとはどういったことか

創発現象のところで、「時間」が適応的な創発現象が起きる糸口になるのではないか、という言葉は誰の言葉か。もし竜くんの言葉であるなら、どういうことか?

 

ゆかちん『渋谷の世界観』

【発表】

渋谷らしさ、渋谷の「世界観」とは一体何によってもたらされているのかを考えていく。まず、ロバート・ヴェンチューリの『ラスベガス』を読み、外形と装飾によるイメージの違いを学び、アドルフ・ロースの『装飾と罪悪』で装飾行為について学んだ。両者は時代背景が異なるため比較することは難しいが、イメージが深層や構造以上に表層や装飾にようるものだということの裏付けは出来た。ここから視点を渋谷にし、ヴェンチューリの『建築の多様性と対立性』に従って渋谷の装飾だと思う、グラフティ、人、ファサード、看板を見ていく。

【質問】

・渋谷の看板には方向性が見られるのはどういうことなのか。方向性があることによって何がもたらされるのか。

・渋谷の世界観は結局どういうものなのか。

 

 

以上8名の発表でした。先生からもありましたが、今年は未完成の人が多かったように思います。また本を読んでそれについてまとめることも大事ですが、建築や都市に落とし込まなくても、何かしらの自分の考えや、面白いと思うことを、人に伝えることをしなければならないなと感じました。

来週からは卒業設計に入ってきます。ほとんどが先生とB4だけでのエスキスになると思います。私も当時は出来ていなく、今思うことですが、自分の作品だけでなく、人の発表に興味を持ち、意見することはとても大事なことだと思います。自分と全く違うことをしていても、何かしら繋がるところ、ヒントとなるところはあります。同期だけで、今までよりも意見しやすい環境だと思うので、積極的に頑張ってください!

 

 

M2 保川