2016 04/28 ゼミ発表C班1回目

今日は「民主と愛国」チームであるC班の初回研究発表でした。以下にその概要をアップします。

 

 

B4寺内「(タイトル無し)」

[発表]

・ 海外(ex.ポートランド)では、日本における受動的な空間利用とは相反し住民が能動的に空間を活用している。

モダニズム建築の本当の価値が現代で見失われ始めているのではないか。

[質疑]

・ 上述の2項目はどのような関係性があるのか。

・ 理想とする“自由な空間”とは。言葉が抽象的に扱われている。

 

B4大山「神奈川県横浜市飯田いちょう団地周辺のコミュニティー形成の手法と埼玉県蕨市におけるクルディスタンの現状」

[発表]

・難民の来歴と現状を踏まえ、その中に日本の建築や制度がどのように介入する可能性があるか。

横浜市いちょう団地と埼玉県蕨市クルディスタンを例にあげそれらの現状や変遷を調査した。

[質疑]

・ 難民の問題は多様なレベルの問題が多数介在しているが、いちょう団地や蕨市の例はそれらを恣意的に排除したものではないのか。

・ 交流施設が必要なのか?建築を通して啓蒙することの強引さを意識すべき。

・ 実際にこれらの施設に訪れ文献からの情報をインプットするだけでなく、著者の意見と比定すべきではないか。

・ 新聞記事的な話が多いので、それらの社会学的な話やリアルな現状を踏まえ問題提起をするべき。

 

 

M1西「市民参加型まちづくり及びWSと公共性に関する研究」

[発表]

・ 市民と行政のせめぎ合いというものを、まちづくりを通して通時的視点と今日的視点で考察する。

・ 斎藤純一の「公共性」を通読し市民参加型まちづくりが導入された経緯を探る。

[質疑]

・ 市民と行政が接触したときになぜ公共性が発生するのか。

・ 市民参加や合意形成は、公共性と関係があるのではなく各々がある一定基準で納得したものでしかないのでは。

・ 逆に行政の計画で市民参加型ではないものは何があるのか。

 

M1大谷「大東亜戦争以前以後 1929-1964を1つの時代区分と捉えて」

[発表]

・ 分離派/創宇社など多様な建築運動団体を通時的/連続性を持って調査した。

・ 当時の直接的な戦争絵画が極めて少ないことに対する会田誠の評価を通して、陸軍美術協会の副会長であるレオナール藤田の総括的な戦争画に関し美術史的な考察が進められないか。

[質疑]

・ なぜこの時代区分なのか?→戦前/戦後で区分するのではなく、戦後5年間で驚異的な発展をした原因が戦前の蓄積があったからこそであり、朝鮮戦争を踏まえた上での時代区分を考えた。

・ 論文のフレーム作りを並行して行うべき。

 

M2弓削田「1960年代から1980年代にかけて行われたデザインサーヴェイに関する研究ー社会風潮の中の建築家の言説・取り組みに注目してー」

[発表]

・ 伊藤ていじの論考よりヒントを得、金沢市愛媛県外泊のデザインサーヴェイの比較。

・ 外泊が興味深いのは、斜面の等高線に対しそれに沿って計画されることが多い集落形成の手法に対し、斜面地にグリットを構成しハウジングプランがなされている。

[質疑]

・ 論文の結論として、それぞれのデザインサーヴェイの考察による類型化を目指しているのか。 →様々なデザインサーヴェイとそれを取り巻いていた社会的/建築的ムーブメントを通しそれらを包括的に読み解くことがこの論文のゴールだと考えている。

・「空間」と「環境」という2つの概念を通し、建築家がその二者の間で社会風潮に影響されながらどのよう漂流してきたのか。

 

 

以上がC班5名の発表概要でした。まだまだ研究のフレーム作りを追求する作業が必要ですが、それぞれ既往研究の比定などの作業を通し全体のパースペクティブを探り始めているように感じました。