サブゼミA班 『精神と自然』グレゴリー・ベイトソン前編

5/8水曜日、今年度最初のサブゼミがありました。

1週目,2週目は

A班:内的ダイナミクス

課題図書:Gregory Bateson,Mind and Nature(G・ベイトソン/佐藤良明訳『精神と自然:生きた世界の認識論』新思索社)

発表者:野口,吉野,神崎,平場

です。

1回目は『精神と自然』の前半、1~4章の内容について発表しました。

 

1章のイントロダクションではベイトソンの基本的な考え方から、本書を読むにあたって必要となる考え方が、いくつかの例を使って繰り返し主張しれています。

ベイトソンの主張、それは物事は断片的に見るのではなく“つながり”を考えなくてはならないということでした。

 

2,3章ではベイトソンの論理を理解するうえで前提となる25の事柄について説明されています。特に3章ではそのなかでも2つの事柄が重なったときに新たなものが見えてくるものについて取り上げられています。

言われてみれば確かにそうだと思う内容なのですが、それを改めて認識論したときに毎回新鮮な驚きがありました。

「無から有は生じない(ただしコンテクストに当てはめれば無もメッセージを持ちうる)」「差異が生まれるには少なくとも何か二つがいる。その二つの差異の知らせを情報と呼ぶ」などなど…

 

4章では精神過程を見分ける基準として、何をもって精神とするかについて述べられています。

「精神とは相互作用するパーツ(構成要素)の集まりである」「精神の各部分間の相互作用の引き金は、差異によってのみひかれる」「精神過程は再帰的な(あるいはそれ以上に複雑な)決定の連鎖を必要とする」などなど…

 

難しい内容でしたが、発表のために内容を整理してまとめたり、班のなかで議論をするうちに理解が深まっていきました。

発表のときにも質問に答えたり、議論をしていくうちに新たな発見があったりして、とても充実したものでした。

また、それと同時に本書の内容で本当に重要なことは何なのか、それをみんなに理解してもらうために必要な議論は何なのかを判断したり、逆に混乱を招く議論や今必要のない議論を見分ける力が決定的に足りないことを痛感しました。

 

来週は本の後半の内容について発表することになりますが、より深い、内容の濃い議論ができるように準備していきたいと思います。

 

B4平場